December 29, 2006

不屈の民


何を思い立ったか、急に「不屈の民変奏曲」が気になって、一気に4種の音源を聴いてしまった。
これらの音源を聴いたのは、本当に久しぶり。哀愁漂うテーマから繰り広げられる大河。

この曲は、フレデリック・ジェフスキーという作曲家・ピアニストが、チリの革命歌をもとに作曲した36の変奏からなる大作。
作品の内容、そして規模の大きさからしても、バッハ「ゴールドベルク変奏曲」・ベートーヴェン「ディアベリ変奏曲」と並び称され、音楽史上に輝くピアノ作品としての変奏曲。
なんせ、ほぼほぼ1時間を要するこの曲、弾くのはもちろんだが、4種聴き通すのにも体力がいる。

今から20年ほど前、渋谷パルコ劇場で作曲者自身が演奏するのを聴いた。思えば、この時からこの曲の虜になってしまった。
演奏を聴いてから譜面を入手し、この曲の緻密さにあらためて驚いた。そして音源を集めた。あと2種が手に入らない!

最後の変奏からカデンツァになだれこみ、そして静かにテーマのメロディーが現れた瞬間がなんともたまらない。思わずゾクッときてしまう。

ジェフスキーという人、COPYLEFTの立場の方のようだが、全音版はミスプリントがあったりする。
まあ、手くせを譜面にしたようなところもあるので…。とは言いながらも、みんな全音版を使っているようだ。
以前は、遊び半分で弾いたりもしていたが、通して弾くとなるとなかなか困難。手くせが文字通り、癖ものであったりする。

そう言えば、7〜8年前に「ゴールドベルク」を弾いたことがある。
2夜連続で「ゴールドベルク」と「不屈の民」を弾く、なんてことはできないかなぁ。やってみたいけど、かなりの勇気がいる。
機が熟したら、ということで…。


所有の4種音源
高橋悠治盤
1978年録音
長らく定番と言われていた盤
Stephen Drury盤
1992年録音
オリジナルの歌を収録している
Mark-Andre Hamelin盤
1998年録音
スタイリッシュでクリアな演奏
Frederic Rzewski盤
1998年録音
自作自演盤、なかなか泥臭い演奏